文字の細部を整え過ぎないことで作り出された味わい。それによってカタカナの持つ記号性に、暖かみのある人間味が加味されている。「サルコヤ」は1921年に創業したおもちゃと楽器のお店。もう100周年を迎える。書体は社長の井上さん自らのデザインだ。創業当時は小物と雑貨のお店だったサルコヤ、名前の由来はお店のキャラクターとしてサルを飼い始めたことに由来するそうだ。今は津波の被害でサルは亡くなってしまったそうだが亡くなった当時は36才。世界記録と同じ年齡ということでギネスにも申し込んだそうだ。「今年で92年目なんです。私も歳ですけど100年の店に持って行きたいと思ってるんです。それまではなんとか体力を持たせようと思う。這ってでもなんでもやろうと。石巻も再建に努めていくから拍手頂けるように。まあ、何十年もかかると思います。で、また100年後にいい都市になってで…また津波が来て、やられて、またつくる。そういう繰り返しじゃないですかね、人間なんていうのはね。今はそういうふうに思ってます。