1990年代、まだオリジナルの軽自動車を作っていた頃のスバルは、660cc時代第2世代軽自動車への更新をライバルに先駆けて決行。従来のレックスから単純にモデルチェンジせず、あえて「ヴィヴィオ」というブランニューネームを与え、デビューさせました。それは一見すると平凡な実用セダンタイプ軽自動車に見えますが、中身はかな~り濃い1台だったのです。 スバル ヴィヴィオRX-RA(1993サファリラリーにて、まだ元気に怪走中のマクレー車) / 出典: レックス改め「ヴィヴィオ」登場! スバル ヴィヴィオ / 出典: 日本に軽自動車を国民車として定着させた歴史的名車、スバル360で大ヒットを記録したものの、その後のスバル軽乗用車は今ひとつパッとしない状況が続きました。 後継のR-2、その次のレックスとも、根強いファンはいたもののライバルと比較するとメジャーになりきれません。 2代目レックスで駆動方式はRR(リアエンジン・後輪駆動)からFF(フロントエンジン・前輪駆動)へ、ターボエンジンや4WDなども設定。 いわば「時流に乗った普通の軽自動車になった」とは言うものの、エンジンは360以来のEK型2気筒エンジンを改良しながら使い続けるなど、商品性はまだ十分とは言えませんでした。 レックスが3代目となってターボからスーパーチャージャーへ、さらにようやく2気筒エンジンに決別して、550cc時代以降の軽自動車では初の直列4気筒エンジンへ更新。 しかしこの4気筒エンジンEN05が660cc化されてEN07になると、「2気筒エンジンのスペースへ4気筒エンジンを搭載する」という寸法上の制約から、ボアアップではなくロングストローク化による排気量アップが求められ、結果的に低回転からトルクのあるエンジンへと進化したのです。 スバル ヴィヴィオRX